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2021ベスト | taizooo
ちょっとずつ書く

86,087分
2021年、 Spotify の再生時間とのこと
86,087分 ≒ 1,435時間 ≒ 60日分
1年の16.4%に相当する


川は流れてどこどこ行くの (流れの話)

2020/12~2021/4
2020ベスト | taizooo にあるように、2020年にプレイヤー・ピアノからプリペアド・ピアノへという流れで、ジェルジ・リゲティ、コンロン・ナンカロウ、そしてジョン・ケージと繋がった
ということで、 Mode Records の John Cage Edition を全部聴いた
これを聴け | アレックス・ロス の曲を順番に聴いていくという活動でもある

2021/4~2021/6
これを聴け | アレックス・ロス の曲を順番に聴いていくという活動のつづきでもある

2021/6~2021/8
スクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンがこう言っていた
> メシアンのような作曲家(のやり方)を見習える。実に幅広く、とてつもなく面白い、刺激にあふれたオルガンのための作品を彼は生み出した。オルガンは何世紀も前の楽器だけど、彼が手にすると突然に、前代未聞のサウンドを奏で出す。僕に言わせれば「新しい機材、新しい音楽」の間には抜け落ちているものがたくさんある。 http://www.ele-king.net/interviews/008197/
ということで、コンプリート・オルガン・ミュージックを全部聴いた

Glenn Branca
2021/8~2021/9
> グレン・ブランカ、超カッコイイ https://twitter.com/taizooo/status/1425825177451917323
> クラシカル・ミュージックを反対方向へぐるっと回ってグレン・ブランカからロックを再発見するの、大西洋からアジアを目指してアメリカ大陸を発見する感じ https://twitter.com/taizooo/status/1426184428682768391
> 彼は現代音楽の分野にエレキギターを主楽器にした曲をもたらした最初の作曲家のひとりだった。むろんそのことが彼の価値を高めているのではない。現代音楽うんぬんを権威づけに感じたならご容赦いただきたいが、ブランカの耳を聾するばかりのアンサンブルには権威を吹き飛ばすほどの音圧があった。その中心はギターである。

2021/8~2021/9

2021/9~2021/10
BBC Proms のプログラムで発見した
パトリシア・コパチンスカヤFolktone Band と BBC スコティッシュ交響楽団(BBC SSO)
バルトーク・ベーラの作曲した楽曲と、バルトーク・ベーラが収集したハンガリー民謡のミックス

Julias Eastman
2021/10
> 今回の一番の発見は、ジュリアス・イーストマン。Spotify の検索から Sub Rosa レーベルで引っ掛けました。ブックオフの激安コーナーから Spotify に変わっても、基本変わらず、ジャケットの絵柄で盤を選びます。 https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2021/10/11/182536
> なんとちょうど BBC Radio 3 の composer of the week が Julius Eastman だった! https://twitter.com/taizooo/status/1446504397312192517
Unjust Malaise | Julius Eastman

2021/11~進行中


2021年におけるベストとは、
なぜか一番最初に聴いたのが1915年のファースト・ヴァージョンで、世間一般では1919年のファイナル・ヴァージョンが標準らしいけど、耳がファーストになってしまっている。結構、違う、というか全然、違う
ファーストでは全部で4楽章あるのがファイナルでは第3楽章と第4楽章を一つにまとめて切り詰めていて全部で3楽章になっている
20世紀を語る音楽 | アレックス・ロス にモートン・フェルドマンがダルムシュタット夏期音楽講習会の講習会でハミングしたと書いてあった
> 「みなさんがラディカルだと思う人たちは、ほんとうは保守的かもしれません。保守的だと思う人たちは、ほんとうはラディカルなのかもしれません」。そしてシベリウスの第五番をハミングし始めた。

> テリー・ライリーの "You're Nogood" はインターネット・スターのあの人のツイートから
youpy サン
> テリー・ライリーは The Harvey Averne Dozen の"You'er Nogood" をズタズタに引き裂いて、 MOOG と2台のオープンリールで継ぎ接ぎに繋ぎ合わせた。1969年、ブロンクスがブレイクビーツを発見する遥か昔の話だ。カットアンドペースト。コピー、エディット。ハレルヤ。わずか3分のその曲は、延々と交互にループで引き伸ばされて、最後、ノイズにすっかり覆われてしまった。
> アレックス・ロス「20世紀を語る音楽」にはこのようにあった。「音楽はときとしてノイズに似ている。なぜなら音楽はまさにノイズだ」「どこにいようと聞こえてくるのはほとんどノイズだ。ノイズは無視するとかえって邪魔になる。耳をすますとその魅力が分かる」
テリー・ライリーは in C も良かった
> in C 最高だな

> Four6 ということは4人の演奏者による楽曲の、6番目の作品ということ。ソニック・ユースをはじめいろんな人が演奏している。おなじ楽曲なのに演奏者ごとに全然違う音楽になっている。楽器が違ったり、人間の声もあったりする。楽器じゃなくてテープ再生(レコード?)だったり、電子音だったり。
> 楽器、鳴らす音は演奏者に任されていて、作曲家はなにがしかのシーケンスだけを指定しているのだ

spotify にある Four6 を集めたプレイリスト
Vol.42 A Cage of Saxophones Vols. 3 & 4 (mode 222/23, specially priced 2-CDs)

続いている
2021/12/17 現在 66個ある
1) 1曲目はちょうど1年前のプレイリストから選ぶ
2) 全部で60分
3) 同じ演奏者、アルバムから2つ入れない
4) 同じ雰囲気で3曲続けない
5) 知ってるヤツより知らないヤツ
6) 外すときは好きな曲から
7) チャンスがあれば大いにパクる
1曲目を選ぶルールは2年目に突入するときに変えた。最初の1年は
1) 1曲目は「心のベストテン」(好きとか嫌いとかの外側にある曲)から選ぶ
というルールだった
新しいルールによって毎週金曜日には、1年前、ちょうど52週間前のプレイリストを聴くという新しい習慣が出来た
1年前と全然違うように感じたりして、1年間の自分の変化を知る、という機会になっている


2021年における「新しさ」とは?
いつも「ベスト・オブ・ザ・イヤー」とか言いつつ全然新しくないので、ここにある「新しさ」について考えたい

月曜日の夜は新しい夜(習慣の話)
> 月曜日の夜、「今週末のプレイリスト」の中のアルバムを個々に拾う
普段追っかけてるのがクラシカル・ミュージックなので、「今週末のプレイリスト」には「古さ」と「新しさ」が混ざるように、みたいなことを考えている(いや、考えているというほどは考えていないけど、結果、そういう選び方になっている)
で、その「新しさ」を聴くのが月曜日の夜だったりする。月曜日の夜の twitter のスクリーンショットを追うとそれがわかる
(タイムライン遡ってみたら、新しい感じになったの、2021/4月あたりからだったな)

で、「新しさ」とはいったいなんなのか?
2021/9~2021/10
バルトーク・ベーラ 繋がりで読み始めた
読書の流れと本当にたまたまクロスした https://copyanddestroy.hatenablog.com/entry/2021/12/01/000000
20世紀の音楽には100年前の音楽も含まれる
100年前のことは、大抵の人は知らない。なぜならまだ存在しなかったから
「現代音楽」、「前衛音楽」という名の「古い音楽」
「現代」とか「前衛」とか、新しくない?
新しくて古いものがあるなら、古くて新しいものもあるはず

新しさ」を求める本能
新しさ vs 生きる と 愛 vs 力
人間には、新しさを求める本能がある、という話
「退屈」という不快情動がある、という話
実は、この感情、情動における「新しさ」という概念には「時間」という要素は一切ない
ここでいう「新しさ」というのは「変化」を意味している
> 能力維持の欲求は、将来の環境悪化に備えて、 知的能力や運動能力を維持・向上することにつながる行動を無意識のうちに 取ろうとする欲求です。 食糧と安全が満たされて何もやることがなくなると、 「退屈」という不快情動が襲います。 そのときに何か行動を起こし、 それが新たな知識の獲得や新たな運動技能の獲得などにつながれば おそらく快情動が得られるでしょう。 https://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/rapid-memo/emotion.html
新たな知識の獲得や新たな運動技能の獲得がもたらす快情動
自己の「変化」を指す
> ”今日”を過去から未来に流れる単なる時間経過ではない唯一無二の存在として際立てているのは、”昨日”との間で生じる【変化】なのだ https://note.com/oshowtheripper/n/ne466eb376a4e

ポップ中毒者の精神
> 「ポップ」に含まれているものって、その時代とともにある、っていう感じかな、と。だから「ポップ中毒者」の場合、共にあるというよりは、もっとこう、時代から箱乗りよろしく上半身を乗り出して、目をカッと見開いて、真っ赤に血走らせて、風をビュンビュン切り裂いて、真正面に対峙してる感じかな、と。でもあくまで「ポップ」なので悲壮感もさらっさらなく、軽々とした雰囲気で
>「それまでの常識がひっくり返るような新しい眼鏡のことを『ポップ』と定義するなら」
「20世紀を語る音楽」で明らかにされたように、作品は時代と切り離されて存在することが出来ない
ここで、「作品は」を「作者は」と言い換えてもいい
「同時代性」
同じ窓の外のノイズにさらされている作者、演奏者たちと作品を介して接続する意味というか
> わたしは匿名である事と作家の主体性の破棄が展示のテーマです 鑑賞者が作品をカット・コラージュするという偶発性を作品のコンセプトに取り込んでいますので展示での在廊できません
同じ時期に、同じリブログ文化圏を通過した彼(はくいきしろい)と共有出来る感覚、みたいな